おはようございます。立憲民主党の岡田悟と申します。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。内閣委員会では初めての質疑となります。あかま大臣始め政府参考人の皆様も、よろしくお願いをいたします。
今回、ストーカー規制法、そしてDV防止法の改正案に関する質疑の中でも、私は、主にストーカー規制法の改正案、これについてお尋ねをしたいというふうに思います。
今回、紛失防止タグも規制対象とすること、それ以外にも、職権で警察官が、被害者の申出がなくても警告を出せるなど、複数の改正がなされる改正案が出されているわけですが、まず、背景として、先ほど若干言及がありましたけれども、我が国の現在のストーカー被害の相談件数、そして検挙数、これがどのように推移をしているのか、概要を政府参考人からお答えいただきたいと思います。
ストーカー事案の相談等の件数につきましては、ストーカー規制法が施行された平成十二年以降把握しているところでございまして、平成十二年につきましては二千二百八十件、これは施行日が十一月の二十四日でありまして、それ以降の数字となります。また、平成十三年から平成二十三年までは一万五千件前後で推移しております。また、平成二十四年から令和六年までは二万件前後で推移しておりまして、依然として高水準で推移しているところと考えております。
また、ストーカー規制法を適用したストーカー事案の検挙件数は、平成十二年につきましては二十二件、これも先ほどの施行日以降の数字でございます。また、平成十三年から平成二十三年については二百件前後、平成二十四年以降は年々増加し、令和六年は千三百四十一件となっておりまして、相談等件数と同様に、依然として高水準で推移していると考えております。
こうした背景には様々な要因があると考えられ、一概に申し上げることは困難でありますが、例えば、平成二十四年を起点に相談等件数や検挙件数の増加が著しい理由といたしましては、重大事件の発生により社会的な関心が高まり、被害者等から積極的に届出や相談等がなされたことが考えられるところでございます。
いずれにいたしましても、被害者等の安全確保を最優先に、関係機関等と十分に連携をし、重大事件への発展を未然に防止するための各種取組を更に充実させるなど、しっかりと対策を進めてまいりたいと考えております。
先ほど言及がありましたように、警告あるいは禁止命令が出された段階で、犯罪に至らない段階で対処していくということが特にストーカー事件というのは重要になろうと思いますけれども、ただ、最悪の場合、非常に深刻な事件に発展しているケースも実際には存在するという状況です。
令和五年には、JR博多駅前、福岡市において、福岡県警管内で、ストーカーの被害者の女性が加害者に殺害をされるという事件がありました。また、昨年から今年にかけていろいろあったわけですけれども、神奈川県警管内で、川崎市において、これも被害者の女性がストーカーの加害者に殺害をされるという事件がありました。
この二つの事件について、警察庁としてどのような問題点や課題について見解を持っておられるか、これはあかま大臣にお尋ねをしたいと思います。
お答えいたします。
お尋ねの事案でございますけれども、いずれも、警察で相談等を受けていた元交際相手が殺害されるというまさに重大な結果、これが発生した事案でございます。
まず、博多駅前における事件でございますけれども、警察から禁止命令等の措置を受けた者によって元交際相手が殺害された事案であって、この事案等を踏まえつつ、被害者の安全確保をより確実にするため、昨年の三月より、警察が、禁止命令等を受けた加害者の近況等を把握した上で、リスク評価というものをするなどして取組を行っているというふうに承知しております。
今、川崎の事案についてもお話ありましたので、これにあっては、警察の対応に不十分さ、それから不適切な点があって、被疑者及び被害者の双方に対して必要な措置を講ずる機会、これを逸したことなどが明らかになったところであります。
神奈川県警察にあっては、明らかとなった反省点を真摯に受け止め、再発防止対策を着実に実行するよう、また、全国警察においても、本検証結果を教訓として、それぞれの人身安全関連事案への対処をより的確なものとするよう、警察をしっかりと指導してまいりたい。
以上です。
福岡の事件については、警察としては手を尽くした、このような評価があります。私自身がこの事件に物すごく詳しいわけではないので、ちょっと私自身の評価は控えたいと思います。一方で、川崎の事件については、大臣の答弁のとおり、反省点があるということで、神奈川県警として検証報告書というものを出されています。
ストーカー事件というのは、そもそも、被害者の方も、大変な強い不安やストレスにさいなまれた状況で相談にいらっしゃることは想像に難くありません。警察官の皆さんも、大変忙しい中、丁寧にケアをしながら、事件につながらないようにするという丁寧な対応が求められるわけですけれども、この川崎の事件、報告書によりますと、昨年の十一月ですかね、被害届を被害者の女性の方が一旦取り下げておられる。これに対しては、警察としても、取り下げない方がいいということで、翻意をするように説得をされたけれども、取り下げたという経緯があったということが記されています。ただ、その後、つきまとい等の行為があり、被害者の方が警察に対して電話でそれを通報されていた。ただ、一旦被害届が取り下げられてしまったということがある種きっかけとなって、その後の対応が極めて不十分であったというふうに理解をしています。
まず、署の内部、あるいは神奈川県警本部の内部でも十分な報告あるいは危機感の共有がなされなかった。そして、被害者の家族の方が、生活安全部門ではなく刑事部門において捜査をしてほしいとか、あるいは警視庁に対して、神奈川県警ではなく警視庁に対して対処を求め、かつ、警視庁から神奈川県警に対してもそういった報告がなされていたにもかかわらず、なかなか十分に加害者に対して対処をしなかった。その結果、殺害をされたということで、逮捕、起訴までされているという状況。
この経緯を見ますと、ストーカー事件特有の問題もあろうと思いますけれども、警察の事件に対する対処一般の在り方として極めて問題が多いと言わざるを得ないのではないかと思います。被害者の方が被害届を取り下げてしまったというところがこのストーカー事件の対処の難しさとして語られることも多いんですが、特に、昨年十二月以降の神奈川県警の対応について、どのような問題点があるとお考えか、こちらもちょっと大臣に伺いたいと思います。
お答えいたします。
昨年十二月以降の神奈川県警察における対応についてでございますけれども、委員の方から話がありました、つきまとい行為に関する被害者からの度重なる電話相談であるとか被害者の行方不明事案に関して危険性、また切迫性を過小評価をしてしまい、また、必要な対応が取られていなかった等々、警察署、また警察本部のそれぞれにおいて体制がいわば形骸化して、生活安全部門と刑事部門の連携の不足、また、対処に当たる幹部や要員への指導、教養の不足といった組織的、構造的な問題点、これが明らかになったところであります。
警察庁といたしましては、本事案のことを踏まえて、都道府県警察に対して、本部対処体制において、いわゆる司令塔、これを置いて、情報集約及び対処を統括させること、次に、生活安全部門と刑事部門の間の情報共有、また、事案への対処が、担当者個人の力量によることなく、タイムリーかつ的確に行われるよう、マニュアルの整備等を行うこと等々を警察庁として指示するというふうになったと承知しております。
神奈川県警察においては、今般明らかになった反省点を真摯に受け止めて再発防止策を着実に実行するよう、また、全国警察においても、人身安全関連事案への対処をより的確なものとするよう、警察庁にしっかりと進捗確認をさせながら、しっかり指導してまいりたい、そう思います。
以上です。
警察の皆さんも、特に地方ではやはり人手不足が非常に深刻化しているというふうにも承知をしております、その中で工夫をして今いろいろな事件に対して対処に当たっておられると思いますが、やはり国民の命が守られなければ国民の期待には十分に応えられないというふうに思いますので、今大臣が御答弁されたように、今後適切に対処していただきたいというふうに思います。
今回の法改正ですけれども、紛失防止タグ、これを規制対象とすること、ほかにも、職権で警察官の方が、申出がなくても警告ができるということ、そして、探偵業の方などに、ストーカーの加害者に結果的に協力をしてしまうことがないように、警察がそれを伝えるということ、それから、努力義務として、被害者の方の勤務先や学校の校長や雇用者が被害者の方を守るということについて努力義務が追加される等々、改正案が出されておりますが、これら改正案が実現をすることで、ストーカー犯罪の抑止あるいは捜査にどのような点が資すると考えられるのか。こちらも大臣に御説明をいただきたいと思います。
本改正案でございますけれども、相手方に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、紛失防止タグを用いて相手方の位置情報を取得する行為等を規制することを内容としておるところでございますが、この審議を通じてこれが成立した後は、改正内容をしっかりと国民に周知すること、紛失防止タグを用いたストーカー事案に対して、ストーカー規制法に基づく警告であるとか禁止命令等に加えて、検挙を適切に行うことによって悪用行為に対する抑止、これが期待できるというふうに考えております。
以上です。
是非、捜査に役立つ形でこれが実現することが望ましいというふうに思います。
一方で、先ほど来言及がありますけれども、犯罪に至らない段階でこれを防ぐということが、被害者の方にとっては当然ですが、加害者の方にとってもそういう行為に至らないことが望ましい、社会にとっても当然望ましいわけですけれども、警告の段階では一部の方に、あるいは禁止命令の段階では原則加害者の方に、カウンセリング等を受けるように勧めるということが現在警察によって行われているというふうに承知をしています。カウンセリングによって加害者の方もいろいろなことに気づいて、ストーカー行為をやめるという効果があるというふうにも報道されています。
現在、警察庁として、こういったカウンセリングや医療的な措置が犯罪の抑止やあるいは更生等にどのような効果があるというふうに認識をされているのか、取組の現状についても御説明いただきたいと思います。
お答えいたします。
議員御指摘のとおり、警察におきましては、令和六年三月から、ストーカー規制法に基づく禁止命令等を受けたストーカー加害者全員に対しまして、カウンセリング、治療の有用性を教示をして受診等を働きかけるなどの取組をしているところでございます。
他方、実際にカウンセリング、治療機関等につながるケースは大きくは増えておらず、令和六年中は、働きかけた加害者総数三千二百七十一人のうち、治療、カウンセリングにつながった者は百八十四人でございました。
その上で、カウンセリング、治療を実施したストーカー加害者につきましては、再発の防止に結びついた例もある一方で、再発した例もございます。
今後、カウンセリング、治療機関等につながりやすくするための方策について検討を進めるほか、カウンセリング等の効果についても、引き続き有効性をフォローアップしてまいりたいと思います。
そもそも、カウンセリングにつながったケースが非常に少ないということ、また、カウンセリング等を受けても再犯につながったというケースもあるということですけれども、カウンセリングが広げられるのかどうか、そして効果についても、是非これはいろいろ検証しながら進めていただきたいと思います。
一方で、自治体において、京都府警あるいは福岡県警、県ということになるのかもしれませんが、現在六府県において公費によるストーカー加害者への医療措置やカウンセリング等が実施をされているというふうに伺っています。現状、今御答弁いただいた警察庁の取組は、費用については加害者が自ら負担するものと承知をしておりますが、自治体で公費で負担をするというケースがあると伺っています。こうした取組が全国で可能になるように、何か警察庁として手だてを取られるお考えがあるのかどうか、こちらについても伺いたいと思います。
お答えいたします。
警察庁では、カウンセリングや治療費を一部公費負担している都道府県警察につきまして、現在のところ、六府県警察を把握しているところでございます。
警察庁としては、ストーカー規制法に基づく禁止命令等を受けたストーカー加害者全員に対してカウンセリング等についての有用性を教示するというのは先ほど申し上げたところでございますが、実際にカウンセリング等につながるケースは大きく増えていないことから、今後、カウンセリング、治療機関等につながりやすくするための方策について検討を進める中で、御指摘の費用に係る論点も含め、どのような方策が効果的か検討してまいりたいと考えております。
効果が一〇〇%でなくても、これは、一定の効果が見込めるのであれば、是非進めていただきたいというふうに思います。
一方で、警察というのは事件を捜査するところでありますから、なかなか医療措置等を強制的に行うというのが難しいという現実もあろうかと思います。ストーカー行為によって有罪が確定するなどし、刑務所に入ったりあるいは保護観察等になっている場合に、こういった治療、カウンセリング等が義務として課されているというふうに伺っていますけれども、こうした取組の状況について、これは法務省に答弁をいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
お答えいたします。
刑事施設及び保護観察所においては、いわゆるストーカー事犯者に特化したプログラムとしては現在実施はしておりませんが、ストーカー事犯者の個々の特性やその犯罪の態様等に応じ、暴力や性犯罪を防止するためのプログラム等必要な指導を実施しているところでございます。
また、令和七年六月に導入された拘禁刑の趣旨を踏まえ、刑事施設においては、より一層個々の受刑者の特性等に応じた矯正処遇を展開をしているところでございます。ストーカー事犯者が抱える問題性等を踏まえた指導を充実させていく必要が、拘禁刑の施行とともに更に必要があると考えておりまして、今現在、ストーカーに特化した受刑者用のプログラムの作成の検討を進めているところでございます。
また、社会内でのストーカー事犯者に対する保護観察につきましても、その問題性等に焦点を当てたより効果的な処遇の在り方を現在検討を進めているところでございます。
引き続き、ストーカー事犯者に対する指導等の充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
ありがとうございます。
ストーカーに特化したプログラムは現時点では存在しないということでありますけれども、いずれにせよ、更生がなされてストーカー等の犯罪の再犯がなされないということが目的、目標でありますから、必要であれば特化したプログラムも検討されるということで、再犯等が減少する、なくなるように是非進めていただきたいと思います。
ストーカーとはちょっと離れますが、警察の皆さんの大きな課題として、匿名・流動型犯罪グループ、これが今非常に、我が国の治安を大きく揺るがす問題になっています。これは報道等でも皆さん御承知のとおり、国内で、いわゆるオレオレ詐欺、国際ロマンス詐欺等々、あるいは突然お金のある方の自宅に強盗に行くとか、あるいは悪質ホストにつながる女性のスカウトというような様々な犯罪に結びついている、かつ、拠点が東南アジアなど海外にあって、なかなか、国境を越えて犯罪が行われているため、日本の警察単独での捜査も困難が伴う、こういう状況が今広がっているものというふうに承知をしております。
最近ですけれども、警視庁がスカウトグループ、ナチュラルの捜査をしている中で、警視庁の警部補の方が捜査対象側に情報漏えいをしていた容疑で、地方公務員法違反で逮捕をされるという事案がありました。まだこれは起訴等には至っていないと思います、捜査中の事案ではありますが、言語道断という警視庁のコメントも出ております。
改めて、この事案について大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
今お尋ねの事案でございますけれども、十一月の十二日、警視庁において、捜査情報を漏えいした地方公務員法違反容疑で、警視庁の暴力団対策課の警部補を逮捕したものだというふうに承知をいたしますけれども、本年十月に警察庁において、匿名・流動型犯罪グループ情報分析室、これを設置をするなどして、全国警察を挙げて匿名・流動型犯罪グループ対策を推進しているまさにさなかの中にあっての、現職警察官が捜査情報の漏えいで逮捕されるということで、まさに御指摘のあるとおり、国民の皆様方からの信頼、これを著しく損なう誠に遺憾な件であるというふうに認識しております。
今後、警視庁において、必要な捜査、また調査を尽くして、判明した事実関係に即して厳正に対処すること、また、二度とこのような事案を発生させないようにするために再発防止策を徹底するよう、私からも警察をしっかりと指導監督してまいりたい、そう思います。
以上です。
いわゆる反社、マル暴、組織犯罪等に対する捜査というのは、かつてから内部に情報提供者をつくってということが行われてきたものと承知をしています。これは非常に本人にとっても警察にとってもリスクのある手法で、その是非というのは余りこういう場で明らかにされるものではないと思いますが、ただ、ある種、そういう役割の方も必要なのかもしれません。ただ、やはり、弱みがあれば、握られるであるとか、つけ込んでこられる要素も非常に多いと思います。そこは是非、警察官の方を守るという意味でも最大限注意を払っていただきたいというふうに思います。
さらに、トクリュウではその首謀者をしっかりと捜査対象にしていく、検挙をしていくことが必要になっているということを警察庁の皆さんはおっしゃっているわけですけれども、さはさりながら、その末端といいますか、現場で手を動かす、犯罪を行う人たちについても何とか手がかりをということで考案されたんだと思いますが、仮装身分捜査、これが始まっているという状況です。
これもいろいろ議論があるところですが、この捜査による実績、あるいは今後の事件に対する有効性について答弁をいただきたいと思います。
お答えいたします。
委員御指摘の仮装身分捜査とは、捜査員が、その身分を秘して、架空の身分証を提示するなどしてインターネット上の犯罪実行者募集に応じ、詐欺や強盗などの検挙につなげる捜査手法でございます。本年一月、警察庁より、実施要領を全国の都道府県警察に示し、その適正な実施について指示をしているところでございます。
これを踏まえまして、各都道府県警察において必要な取組が進められているところでありまして、例えば、本年五月、警視庁において、詐欺未遂の被疑者を検挙し、被害の発生を抑止した事例があるものと承知をしております。
このように、仮装身分捜査は、詐欺や強盗などの被害発生前に実行犯等を早期確保することによりまして、犯罪グループの実態や首謀者等の特定に資する情報を得る機会も増えるなど、一定の効果があるものと考えております。
犯罪の被害につながる前にグループを一網打尽にできるという点は、大きな利点であろうというふうに思います。
先ほど警視庁の方の逮捕事案もありましたけれども、そのスカウトグループが独自のアプリを開発をして連絡を取り合っているといったこともある、あるいは、このような犯罪の現場にいる人たちに対する指示などが、通信アプリのシグナルとか、非常に記録が残らないアプリを使って連絡がなされているという状況を考えれば、現場で犯罪を犯す者たちを逮捕をしたり捜査をしても、それ以上、上の突き上げ捜査につなげられるということもなかなか難しいという指摘もあります。
こうした状況も踏まえて、サイバー関係の対応もしっかりと進めながらトクリュウの捜査に当たっていただきたいというふうに思います。
ちょっと時間が余っていますけれども、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。