国会質問

2025年5月14日(水)財務金融委員会

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第217回国会 衆議院 財務金融委員会 第21号 令和7年5月14日

岡田(悟)委員

 立憲民主党の岡田悟です。
 引き続き、保険業法の一部を改正する法律案について質疑をいたします。
 先ほど来、様々な委員の方、指摘をされているように、やはり多くの国民の皆さんの関心を引いた、非常にインパクトを与えたのは、ビッグモーターの事案であったと思います。これは極めて深刻であったわけですけれども、ただ、ビッグモーターだけではないというのもまた事実ですね。
 先ほど名前が挙がっておりましたトヨタモビリティ東京、トヨタ自動車の直営のディーラーだったわけですけれども、業務改善命令が出ている。また、金融庁の発表の内容を見ても、保険事業に関しては本業でないとの意識が根底にあるとか、人材育成を行っていないとか、あるいは、経営陣自身が保険業法に関する知見を有していないとか、かなりひどい業務実態があったということをかなり厳しく指摘をされています。また、報道ベースにはなりますけれども、中古車販売大手ネクステージ、あるいは、損保ではなくて生保ですけれども、マネードクター、今テレビCMをやっていますね、これを運営しているFPパートナーに対しても処分を科す方針であるということが報じられているという状況です。これはコメント、結構です。
 ビッグモーター以外にもこういう深刻な状況が既に明らかになっているということで、今回の法改正そのものは方向性としては当然行われるべきであるというふうに思いますが、一方で、これまでこういう状況は広く行われていた、不正がビッグモーター以外のいろいろな代理店等で存在していたということは自明であったというふうに思います。
 これからどうそれを改善していくかということを、これまでこの委員会でも議論されてきたと思うんですけれども、これまでそもそも金融庁として何もやっていなかったとか、そういうことを言うつもりはありません、いろいろ手だては打ってこられたんだと思いますが、法律、ルールの拡大解釈であるとか潜脱であるとか、抜け道を探して、自分たちに都合のいいように不正も含めてビジネスをやってきたという実態があるのではないかと思います。
 伊藤局長も、東洋経済のインタビューでかなり保険会社に厳しい指摘も行われていますけれども、こうしたことも踏まえて、これまでの金融庁としての代理店あるいは保険会社に対する監督の在り方、どのような課題があったのか、お答えをいただければと思います。

伊藤政府参考人

 お答えを申し上げます。
 まず、保険会社でございますけれども、金融庁としては、これまで、損害保険会社に対する監督として、検査を含むモニタリングを通じて業務の適切性を確認し、不適切な事案が認められた場合には、業務改善命令の発出を含め、厳格な行政対応を行ってきたところでございます。
 一方、保険代理店につきましては、委託者である保険会社を通じた監督が主となっている中で、保険会社は、一部の大規模な保険代理店に対し、営業上の配慮から、適切な管理、指導を行わず、不適切な保険募集がなされるなど、両者の間における構造的な課題が見受けられ、当該課題は今般の保険金不正請求事案を引き起こす一因となっていたというふうに現在においては考えておるところでございます。

岡田(悟)委員

 これはいろいろな論点があるわけです。今日の委員会では出ていませんでしたけれども、例えば、代理店手数料ポイント制度といって、保険会社が代理店に支払う手数料を決めるときに、どのような基準で決めるかという仕組みがあるそうですけれども、金融庁が行っているいろいろな金融業界の業界団体との意見交換会において、これまで、この問題、一昨日パブリックコメントを集めるための監督指針の改正案が明らかになりましたけれども、ここでも触れられており、かつ、金融庁のワーキンググループであるとか有識者会議でも触れられている点ではありますが、ポイント制度が代理店の規模、増収に偏り過ぎている、あるいは、顧客対応に努力しても小規模代理店の経営は苦しくなっている、要はビッグモーターのような大規模な代理店に有利な仕組みになっているということについて、意見交換が、平成二十九年、二〇一七年の段階で、金融庁としては今回の監督指針の改正で改善をするという内容が数年前にも既に指摘をされているということで、いろいろな課題については把握をしておられたんだと思います。
 今回どのように監督指針を改正する方針であるかということは今回の改正案に書かれているわけですけれども、改めて伺いますが、まず、小規模の代理店の中では、このポイント制度が非常に不公平である、大規模代理店偏重であるということで、公正取引委員会に申告をしているという例が既にあります。公取の方針についてはコメントしていただかなくても結構なんですが、大規模代理店偏重の状況を見直すという方向になっているのかどうかという点と、ちょっとこれは通告をしておりませんが、一昨日改正案が出されて、これも私は目を通しましたが、規模、増収率に偏ることなく業務品質を重視しているかを監督指針で評価をするということですが、代理店の規模は様々ではありますが、もう少し具体的に、例えば数値目標等を定めるといったことまで踏み込むことができないのかどうかという点も含めて、ポイント制度に関するお考えを伺いたいと思います。

伊藤政府参考人

 お答えを申し上げます。
 代理店手数料ポイント制度というのは、何か私どもが定めている制度があるわけではなくて、民民の、保険会社と代理店との間の手数料の支払いの仕方を決める算式の一部ということでございますけれども、これにつきまして、先般公表いたしました保険会社向けの総合的な監督指針の改正案におきましては、保険代理店におけるコンプライアンス疑義事案の発生状況等を踏まえているか、これはビッグモーターなどを念頭に置いたものでございます、また、保険代理店の規模、増収に偏ることなく業務品質を重視することに加え、さらに、その業務品質の具体的な指標について、損害保険会社の事務効率化ではなく顧客にとってのサービス向上に資するものとなっているかということを含むものになっているところでございます。
 こうした対応、こうした監督指針、今後最終化してまいりますけれども、これによって、保険代理店において、規模ではなくて顧客本位の業務運営の徹底が図られているかどうかということで、保険市場の健全な発展の一助になればというふうに考えている次第でございます。

岡田(悟)委員

 民民の取引のルールであるからということですけれども、ちょっと、先ほどお伺いをした、小規模の代理店にとっても必ずしも不利にならないような形に見直しをしていくという方向でいいのかどうか、この点、一点確認させてください。

伊藤政府参考人

 お答え申し上げます。
 今申し上げましたように、民民の契約の算出の仕方でございますので、先ほど御質問いただきまして、御答弁申し上げませんでしたけれども、私どもとして何か数値を決めるということは考えておりませんが、他方で、今まで規模、増収に偏っていたものが業務品質の方にウェートをシフトするということで、今まで以上に中小代理店にとっては不利にならない体系になるものというふうに考えております。

岡田(悟)委員

 御指摘の点も是非モニタリング等で確認をしていただくようにしていただければと思います。
 そして、もう一つ問題になっておりましたのが、損害保険会社、主に損害保険会社から代理店への出向ですね、ディーラーや中古車販売店等でイベントのお手伝いをするであるとか、こういうことが本来保険会社にとって必要なのかというふうなことまで社員の方がやっているというふうな状況がまかり通っていて、その貢献度が保険を売ってもらえるかどうかの基準になっていたという状況があったわけですけれども、これだけいろいろな問題があり、処分等も出て批判をされている状況で、損害保険会社は今、人を一斉にとにかく引き揚げている、出向をやめているという状況になっているわけですけれども。
 これも一昨日、監督指針の改正案が出ました。内容を読んでみると、細かくいろいろなことが書かれていますが、一律に禁止をするものではない、特に利益相反になるところについてはかなり注意をしましょうということになっていますけれども、全部やめましょうというふうにも読めないんですけれども。
 この点、先ほど来指摘の上がっています点、利益相反にならないのかという点と今回の監督指針の改正、どのようにある種バランスを取るというのか、線引きをどうするのかというところ、もう少し詳しく伺えればと思っております。

伊藤政府参考人

 御指摘の、先般公表いたしました監督指針の改正案の考え方、内容でございますけれども、保険会社が保険代理店に対して出向による業務運営の支援を行うことはいろいろな弊害を惹起するというふうに考えておりまして、そうした内容を含んでおります。
 出向元の保険商品の優先的な取扱いを誘引し、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するのではないか、他社顧客情報の不適切な共有や、保険代理店としての自立の阻害などの出向特有の弊害を生じさせるのではないか、こういう点をよく考えて、保険会社においては、出向方針を作る、見直すということですとか、改善若しくはチェックに向けた体制整備を構築するということをしてくださいというような内容になっているものでございます。

岡田(悟)委員

 利益相反との線引きがどの程度かというところですけれども、これは、でも、損害保険会社にある程度それを委ねるという形なのかなというふうに読めます。もちろん、箸の上げ下ろしまで全部金融庁が見ないといけないのかという議論はあろうと思いますけれども、ここもかなり今回の不正の要因になっていたというふうに考えられますので、是非モニタリングをしっかりとやっていただけたらというふうに思います。
 そして、今回の監督指針には含まれていませんが、いわゆる比較推奨販売ですね。法律の条文は、細かいんですが、保険業法施行規則第二百二十七条の二第三項第四号イ、ロ、ハという保険の比較推奨販売のルールが乗り合い代理店の場合はある。今まで、代理店独自の推奨理由、基準に従って商品を選別し、商品をお客さんに勧める、単純に、この保険会社の商品を使ってくださいというふうに、自動車修理会社等に修理をしに行けば、なぜか分からないけれども一社の保険が勧められるということを経験されている方は多いと思いますけれども、恐らくこういうからくりで行われていたんだろうというふうに考えられます。
 これも、非常に例外的なルールとして設けられたにもかかわらず、広く大手の乗り合い代理店にある種悪用されて、テリトリー制といって、ある地域ではこの保険会社のものしか売りませんというふうな習慣になっており、保険を契約するお客さんが大変不利な状況になっていたということが言われているわけで、ハ方式と言われるものは廃止をするということですけれども、じゃ、どうやって保険を売ればいいのかという問題が新たに生じ得るものと思います。
 小規模の代理店であれば、保険の知識が必ずしも十分でないというところもあろうと思います。また、大手の代理店であれば、これは今回監督指針等で示されているように、自律的にちゃんと保険のことを学んでお客さんに説明できる状況をつくっていただく必要があるわけですが、なかなかそうはいかないという小規模の代理店もあると思われることと、あと、保険の商品というのは極めて複雑で、契約するお客さんにとって、すぐに、ABCの選択肢を示されて簡単に選べるものでもないのかなというふうに思います。
 この点、ハ方式を廃止することによって、代理店の保険の推奨の在り方、どのような方向性を目指しておられるのか、伺いたいと思います。

伊藤政府参考人

 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、いわゆるハ方式でございます、代理店の、自店の都合によって推奨する保険商品を決めるということでございますけれども、これは、今までの有識者会議ですとかワーキンググループの中でも御議論がございまして、これを廃止していく方向で私ども考えているところでございます。
 自社都合の、自店都合の方式ではないということになると、原則に戻りまして、顧客に対し、保険契約をするに当たってどういう点を重視するかということをまずお聞きして、その上で、絞られた保険商品につきまして内容をしっかりと御説明をするということが、保険代理店、保険募集をする方には求められるわけですけれども、おっしゃるように、中小の代理店から不安の声が上がっているということも事実でございます。
 今後でございますけれども、やはり保険会社としては、保険商品を売ってもらうわけですけれども、これはどういうところに自社の商品の特徴があるのかということを代理店の皆さんにもよく御説明をして、又は、使いやすい、分かりやすいパンフレットなども用意して使っていただくということもあろうかと思いますし、代理店の方でも、いろいろな説明の工夫をしていただくということは必要になってくるのではないかというふうに思っておりまして、こういったことを目指して、私どもも監督、指導を続けていきたいというふうに考えております。

岡田(悟)委員

 伊藤局長は東洋経済のインタビューで損害保険会社についてかなり厳しい指摘をしておられて、同一価格、同一商品で提供してきた過去があるから楽をしようとしているのか、商品を差別化できないと思い込んでいるとか、代理店からその保険を是非売らせてくれと言われるぐらいの優位性のある商品を開発してほしいとか、おっしゃるとおりだと思います。ただ、ネットの保険も広く行き渡っている中で、大手の保険会社が何を売るかというのはなかなかという課題もあろうかと思いますが。
 最後に一点だけ、大臣に、どうしても保険代理店と損害保険会社の力関係というのは引き続き続くのではないかというふうに思いますけれども、この中で、問題を改善していくという決意をお聞かせいただきたいと思います。

加藤国務大臣

 今般の保険金不正請求事案は、自動車修理業などの兼業業務を行う、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店において、保険請求に関して極めて不適切な行為が行われてきたにもかかわらず、そのような代理店が保険会社に対して優位な力関係にあったことから、保険会社において営業上の配慮が働き、そうした不適切な状況を是正することができなかった、いわば構造的な問題と考えております。
 これを踏まえて、今般の法律改正では、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対して、兼業業務の適切性の確保を含めた法令遵守等に必要な体制整備義務を上乗せして課す措置を講じ、また、保険会社に対し、営業上の配慮を遮断し、こうした代理店に対する管理、指導責任を全うさせるということにしております。
 加えて、金融庁としても、上乗せ措置の対象を大規模な代理店に絞ることで、こうした代理店における法令の遵守状況を重点的にモニタリングし、必要に応じ、適時適切な行政処分等の対応を取るということが可能と考えております。
 さらに、今回の法改正による措置に加えて、監督指針の改正、また、業界におけるガイドライン等の整備といった対応を含め、進めていきたいと考えており、こうした対応や当局による規制の遵守状況のモニタリングを通じて、今般の保険金不正請求事案のようなことがまた再び起きることがないよう、その再発防止の実効性をしっかり確保していきたいというふうに考えております。

岡田(悟)委員

 是非進めていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。