国会質問

2025年3月11日(火)財務金融委員会

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第217回国会 衆議院 財務金融委員会 第9号 令和7年3月11日

岡田(悟)委員

 立憲民主党の岡田悟です。
 質問の前に一言、先ほど黙祷しましたけれども、改めまして私からも、東日本大震災、犠牲になられた全ての皆様に心から哀悼の意を表します。そして、大切な御家族や友人、知人を亡くされた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、質疑に入りたいと思います。
 今日は関税定率法等の一部を改正する法律案ということではございますが、関税、今世界的に非常に注目をされており、我が国もアメリカのある種ターゲットになるかもしれないということで、今朝、今日の未明、武藤経済産業大臣がアメリカに行かれて、ラトニック商務長官それからグリアUSTR代表ともお話をされたということでしたけれども、先ほど大臣がアメリカで会見されたそうですが、この協議がどのようなものであったのか。今日は古賀友一郎経済産業副大臣にお越しをいただいておりますので、是非その内容をお話しいただければと思います。

古賀副大臣

 お答え申し上げます。
 本日未明、武藤経済産業大臣は、ラトニック商務長官、グリア通商代表、そしてハセット国家経済会議委員長とそれぞれ会談を行ったもの、このように承知しておりまして、その中におきまして、米国政府がこれまで発表してきました関税措置につきまして、我が国の米国経済への貢献、こういったことも踏まえまして、我が国がその対象になるべきではない旨を申し入れた、こういうことでございます。
 これ以上の詳細につきましては、外交上のやり取りでございまして、この場での言及は差し控えさせていただきたいと思います。
 以上です。

岡田(悟)委員

 報道によりますと、大臣がお話しになっている記者会見の映像が出ておりましたけれども、アメリカ側から、まず、鉄鋼、アルミニウムの関税引上げの対象になるかどうかについて言質を得られなかった、その他、自動車等についても、日本が対象になる可能性があると言われているわけですけれども、これについても、NHKですけれども、米の関税措置、日本を除外するという話にはならずというふうに大臣もおっしゃっているようですけれども、こういう認識でよろしいでしょうか。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 今回、武藤経済産業大臣から米側に日本の立場をお伝えしましたが、日本を関税措置から除外するとの確認までが取られているわけではないというふうに承知をしております。
 引き続き日米で協議がなされていくものと承知をしており、現時点ではそれ以上のコメントを控えさせていただきたいと存じます。

岡田(悟)委員

 自動車については、カナダ、メキシコが今、先日から、一か月関税の引上げを猶予されているという状況。それとは別に、トランプ大統領が取りあえず自動車の関税を引き上げるということを言っていて、これが我が国も対象になれば、日本から輸出をしている自動車、これが、三兆円の税負担が新たに増えるのではないかと言われているわけですけれども、日本が自動車の関税引上げの対象になるのかどうかという点は議題として上がったのかどうか。いかがですか。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 会談の中におきましては、米国政府がこれまで発表してきた関税措置につきまして、我が国が対象になるべきではない旨を申し入れて、米国の関税措置が我が国の産業や日米両国におけるビジネス環境の整備や投資、雇用の拡大に与える影響について、我が国の考えを説明してまいったということでございます。

岡田(悟)委員

 アメリカとの関係は大切ですし、交渉事ですから全て明らかにするというのが難しいということは分かるんですけれども、非常に国民の関心も高い、また産業界の皆さんも大変関心を持っておられる。安心材料があれば安心もできるし、何か一つでも分かることがあれば、今後どういう手を打っていくのかということを企業の皆さんも考えることができますので、もう少し何か具体的な一致点があれば教えていただきたいと思いますし、アメリカ側から、少なくとも決裂とか、何か対立するような状況になったのではないようだとは思いますけれども、今後も交渉を続けていくことができる状況なのかどうか、こういう点、もう少しお話をいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 本日の会談におきましては、日米経済関係を更に発展させるための個人的な信頼関係の構築につながったというふうに聞いてございます。また、これまでの米国における日本の貢献について、米国側から非常に重く受け止めていただいているというふうに聞いてございます。
 米側からは、日本との関係を重視しているという発言とともに、米国は様々な制度の相互性を重視しており、米国における製造業の復活や雇用の確保を重視しているということの説明があったというふうに聞いております。
 今回の議論を踏まえまして、どのように日米の国益をウィン・ウィンにしていくことができるか、今後緊密に協議していくことになるというふうに考えてございます。

岡田(悟)委員

 ありがとうございます。
 難しい交渉になるだろうとは思いますけれども、国会にも適宜報告等、是非お願いをできればというふうに思います。
 そして、トランプさんが、大統領に就任される前から、当選後、いろいろな発言をされて、それに世界中が大変振り回されるという状況であるわけですけれども、我が国もG7のメンバーとして、自由貿易、しっかりとルールを守っていかなければいけないということが当然大前提であるべきだと考えています。
 一方で、二五%とか、合理的な理由もなくいきなり関税を引き上げられてターゲットにされるということがあった場合、何もしなくていいということにも、恐らく、国民世論の間でもそれは許されないのではないか、そういう空気、意見が強まる可能性もあると思うんですけれども、今後、我が国が関税の引上げの対象となった場合に、WTO等のルールに基づいてどのような手段を取り得ることができるのかという点、これは外務省の参考人の方から御説明いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

林政府参考人

 お答え申し上げます。
 トランプ大統領就任後、立て続けに関税措置に関する様々な発表を行っているところでございます。
 今般の米国政府による広範な貿易制限措置、これは、世界経済また多角的貿易体制等に大きな影響を及ぼしかねないというふうに認識しております。米国政府には、これら関税措置につきまして、先ほど答弁がありましたように、申入れを行っているところではあります。
 我が国としては、これらの措置の内容及び我が国への影響につきまして十分に精査しつつ、引き続き必要な対応を取っていきたいというふうに考えてございます。

岡田(悟)委員

 もし日本が報復関税を行う場合は、WTOの承認を得て行う、こういう法律に日本の法律もなっているというふうに承知をしていますけれども、そういう理解でよろしいですか。

林政府参考人

 お答え申し上げます。
 米国による関税措置につきましては、WTO協定との整合性については現時点でコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますが、米国政府には関税措置につきましての申入れを行っておりまして、引き続き必要な対応を取っていく考えでございます。

岡田(悟)委員

 我が党の部門会議で御説明を財務省さんからいただいたときには、先ほど申し上げたような法律のルールに我が国の法律はなっていると伺っていますけれども、どうでしょう、財務省、お答えいただけますか。

高村政府参考人

 一般論としてお答え申し上げます。
 我が国の関税制度におきましては、関税定率法に、WTO協定に基づき、WTOの承認を得た上で措置可能な報復関税制度が規定されているところでございます。

岡田(悟)委員

 WTOとの関係はコメントされないということでしたけれども、じゃ、WTOのルールに反して報復関税を何らかの形で行うことがあり得るということでしょうか。林審議官、いかがでしょうか。

林政府参考人

 お答え申し上げます。
 米国の関税措置についてのWTO協定上の整合性については、現時点でコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに考えてございます。

岡田(悟)委員

 我が国の法律がどうなっているかで、アメリカがWTOとのルールの整合性をもってどうするかではなく。
 これは多分財務省が今お答えいただいたとおりだと思いますので、我が国の法律は、WTOの承認を得て報復関税を行うということでいいですね。林審議官、いかがですか。

林政府参考人

 お答え申し上げます。
 我が国が取り得る措置につきましては、措置の内容を精査した上で、何が取れるかということは検討していきたいと思います。

岡田(悟)委員

 我が国の法律の解釈は、先ほど財務省でお答えいただいた解釈で結構ですね。今後、具体的に実際どうするかではなくて。

林政府参考人

 お答え申し上げます。
 先ほど財務省から答弁があったとおりと認識しております。

岡田(悟)委員

 当然、法改正がなされない限りはそういうことだと思います。
 そして、まず、十二日から発動されると言われております鉄鋼、アルミニウムの二五%の関税の引上げですね。今回、それから日本を除外するという言質は取れなかったということになったわけですけれども、これがもし我が国に適用された場合に、輸出額に対して企業の税の負担額がどの程度増えるのか、経産省でこれは試算等をされているかどうか、お答えをいただければと思います。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 我が国といたしましては、引き続き、鉄鋼業界を始め関係業界とコミュニケーションを取り、鉄鋼、アルミニウム製品に対する関税措置の内容や我が国への影響について精査を行っているところでございます。
 米国政府には、これらの関税措置につきまして、措置の対象から我が国を除外するよう申入れを行っているところでございまして、引き続き、我が国への影響を踏まえて、必要な対応を行っていきたいと考えてございます。

岡田(悟)委員

 影響額の試算をされているかどうか。試算をされている場合、金額についてお答えをいただきたいと思います。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 影響額については現在精査を行っているところでございます。

岡田(悟)委員

 現時点では試算はしていないということですね。
 新聞記事等いろいろ出ておりますけれども、アルミは三百億円規模の輸出である、鉄鋼は、日本全体で見るとアメリカ向け輸出額二十一兆二千九百五十一億円のうち一・四%である、全体として規模は小さいんですが、追加関税によって半導体関連の派生品が対象となり得ると。今、半導体は国を挙げて開発に取り組んでおられるわけですから、これが対象となるとなると、いろいろな意味での金額以上のダメージもあるのではないかというふうに承知をしています。
 そして、自動車の関税、これは、日本から直接輸出をする自動車が関税引上げの対象になる可能性があるということと、もう一点、日本のメーカーがカナダ、メキシコに進出をしている、たくさん現地で生産をして、それをアメリカに輸出しているという状況があるわけです。カナダ、メキシコも、いろいろな協定等によって、アメリカの二五%の関税引上げの対象となっているけれども一か月今猶予をされているという状況だと認識をしておりますけれども、これはルールがもしあるのであれば御教示いただきたいんですけれども、メキシコあるいはカナダからアメリカに輸出をされる自動車、自動車部品等が関税引上げの対象となった場合に、日本からこれに対して何か対応を取り得ることが法的に可能なのかどうか。経産省、いかがでしょう。

浦田政府参考人

 お答えいたします。
 カナダ、メキシコでは、委員御指摘がございましたとおり、自動車メーカーを始め自動車生産に関する日系企業がサプライチェーンを広範に構築をしているというところでございます。
 我が国といたしましては、米国とカナダ、メキシコ政府との間のやり取りを注視するとともに、これらの措置の影響を十分に精査をして、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

岡田(悟)委員

 我が国が報復関税を行う場合は、先ほど財務省に御答弁いただいたように、WTOの承認を得て、実際やるかどうかは別にして、行う法律になっているということですけれども、メキシコ、カナダが対象になった場合、日本メーカーの自動車を対象に関税引上げが行われた場合、何か法的に措置を取り得ることが可能なのかどうか。法的にはどうなっていますでしょうか。そういうものはあるのかないのか教えてください。

高村政府参考人

 お答え申し上げます。
 まず、報復関税とよく言われますけれども、一般に報復関税という言葉がどういう意味で使われているかというのはよく検討する必要があると思っております。
 先ほど私が申し上げたのは、我が国の関税定率法に規定されている、WTO協定に基づく報復関税、これについては、日本はWTOの承認を得た上で措置可能な状況にございます。
 なお、それ以外にも、第一次トランプ政権のときには、各国はセーフガードに対する対抗措置という措置を取ってきておるようです。これは、特定の国がセーフガード措置を発動し、事前の補償協議が調わない場合は、相手国の措置と実質的に等価値の範囲内で割増し関税を課す制度でございます。第一次トランプ政権のときは、EU、中国等がこのような措置を発動したと聞いております。

岡田(悟)委員

 通告はしているんですけれども、第三国が対象になり、我が国のメーカーが損害というか税負担を被る場合に、何か対抗できるルールは我が国にあるかないかということをお尋ねしているんですけれども。
 これは、ルール以外、いろいろな交渉をして対応されるということはあってしかるべきだと思いますけれども、何か法的なルールがあるのかどうかをお尋ねしているんですけれども、いかがでしょう。

井林委員長

 速記を止めてください。

 〔速記中止〕

井林委員長

 速記を起こしてください。
 高村関税局長。

高村政府参考人

 お答え申し上げます。
 我が国の関税定率法の規定を見させていただきました。そこには、その国を通過する貨物で輸入されるものにはという形で対象が決められておりますので、基本的には、我が国の国境を越えて輸入されてくるものについての損害というものを見ていくことが基本になると考えております。

岡田(悟)委員

 では、一般論で、A国、B国としましょうか、そこで日本のメーカーが造った自動車がC国に輸出をされて関税が引き上げられた場合、日本が何かC国に対して報復なり対抗措置を取るという法律上のルールは存在しないということでよろしいんでしょうか。一般論で結構です。

高村政府参考人

 お答え申し上げます。
 関税定率法上にはそのような規定はございません。

岡田(悟)委員

 じゃ、ほかの法律でもそういうルールには現行なっていないという理解でよろしいでしょうかね。

高村政府参考人

 そのような理解で結構でございます。

岡田(悟)委員

 余りそこで我が国もがんがん報復をやるというふうな法改正をすると、恐らく自由貿易を阻害することになりますし、ひょっとしたらこれからいろいろな議論があるのかもしれませんが、我々もしっかりこれはよく研究をしていきたいというふうに思います。
 残り、ちょっと時間は余りありませんが、今回、関税定率法等の一部を改正する法律案の質疑ということで、資料をお配りをしておりますので御覧をいただければと思います。なお、資料二枚目の下の文章ですが、九千八百九十億円という数字、これは、暫定税率対象四百十一品目と書いておりますが、そうではなくて、関税収入の見積り全体の金額の誤りでしたので、おわびをして訂正をいたします。
 こちらは、関税に対して適用されている暫定税率、毎年度この見直しをこの委員会でも議論されてきたものと承知をしておりますけれども、この内訳を財務省の皆さんから公表していただきました。関税においてこの暫定税率を設けておられる目的、意義について、大臣、お答えをいただければと思います。

加藤国務大臣

 まず、暫定税率は、政策上の必要性などから、適用期限を定めて基本税率を暫定的に修正する税率となっています。
 これは、国内産業保護、また消費者等の利益確保を図る観点から、その時々の国内産業、国際交渉の状況、国際市況等を踏まえて、暫定税率を引き続き設定する政策上の必要性の有無、また、現行の暫定税率の水準が適正なのかどうかといった点について常に見直しを行う必要があるという考え方に基づき、適用期限を定め設定をし、こうして毎年国会での御審議をいただいているということでございます。

岡田(悟)委員

 国際的な取決め、ウルグアイ・ラウンド合意に基づいて、一定の輸入量は関税をかけない、あるいは非常に低い関税に抑えるということも踏まえてこのような税率が設けられているものと承知をしておりますが、一方で、例えばトウモロコシ、コーンスターチ用のものが六百九十億円程度、それなりに大きな金額なのかなと思います。あるいは麦芽も対象になっているわけですけれども。
 例えばコーンスターチ用のトウモロコシや麦芽というのは、どのような事業者が輸入をするものとして、検討状況にあるようにヒアリング等をされたのかどうか。これは、財務省、お答えいただけますでしょうか。

高村政府参考人

 お答え申し上げます。
 コーンスターチ用トウモロコシでございますが、これは、物資を所管する農林水産省と財務省で協議をいたしました。
 国内生産が行われていない中、競合する国産芋でん粉だけでは国内のでん粉需要を賄えていないこと、それから、輸入品が無制限に国内に流入するのを防いで国産でん粉原料用芋生産者を保護するとともに、当該物資を原料に生産される製品を消費者に対して安価に供給する必要があること等の観点を確認して、今回、暫定税率を継続することに至ったということでございます。

岡田(悟)委員

 輸入するのはどのような事業者なのかということをお尋ねをしているんですけれども。ビールの原材料表示を見ると、コーンスターチとかよく入っているわけですけれども、どのような事業者が輸入をしているということなのか、お答えください。

高村政府参考人

 個別の事業者名についてお答えすることは営業上の秘密を明らかにすることにつながりかねないため、お答えは差し控えさせていただきます。

岡田(悟)委員

 事業者名も通告ではお尋ねをしておりますが、どのような事業者なのか、その業種のカテゴリーでもお答えいただければと思いますけれども、いかがですか。

高村政府参考人

 御指摘のありましたコーンスターチ用のトウモロコシでございますが、これは、主に糖化用の製造の原料に使用されており、その他、ビールや段ボールの原料に使用されているということでございますので、そういった製造業者の、原料を調達する人たちが、そういう業者が輸入していると思われます。

岡田(悟)委員

 関税の減収額が紙巻きたばこは二百三十億円程度ということですけれども、これは国内のどのような事業者が輸入をしているということになるんでしょうか。

高村政府参考人

 失礼いたしました。
 紙巻きたばこにつきましての協議の状況でございますが、紙巻きたばこにつきましては、国際約束の結果に基づきまして、日本たばこ産業株式会社による国内における製造独占を維持する一方で、暫定税率を無税としており、物資を所管する財務省理財局と協議をしたところでございます。
 その協議におきましては、同社が、当該製造独占を前提に、国産葉たばこを自主的に全量を買い取り、葉たばこ農家の経営安定に取り組んでいること等の観点を確認いたしまして、暫定税率を延長することが適当であるという結論に至ったものでございます。

岡田(悟)委員

 これはもうJT一社ということでよろしいですね。
 特定の会社を利するものに全てなっているとまでは言いませんが、これはやはり、国内の市場の状況、たばこを吸う人も減ってきたり、加熱式たばこ等別のものにも変わってきているという面もありますから、国内市場の状況を見て不断の見直しをしていく、この財政難の状況、やはり税収を確保するということも必要ですから、国際的なルールも踏まえて、もう少し透明化、事業者名も減収額が大きい会社は公表するとか、より国民に分かりやすい仕組みに改めていただくということを、今後是非議論を進めていただきたいと思います。
 こちらで終わりたいと思います。ありがとうございました。